建設工事で排出される廃棄物の収集運搬について

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建設工事における廃棄物の注意点

建設業者をやっています。うちの現場で出てくる廃棄物やゴミは産業廃棄物?一般廃棄物?誰が運搬する義務があるの?

建設工事における廃棄物の基本知識は、建設業や運送業を経営する社長にとって重要です。

① 建設工事の廃棄物種類

建設工事からは多種多様な廃棄物が発生します。これには、コンクリート塊、アスファルト、木材、金属くずなどが含まれます。これらの廃棄物は、工事の種類や規模によって異なり、適切な分別と処理が必要です。特に、建設現場では、廃棄物の種類ごとに異なる処理方法が求められるため、事前の計画と知識が重要となります。

一般的な家屋等の解体工事で発生する廃棄物は、基本的に以下の8品目となります。

解体工事に伴う廃棄物を収集運搬する場合は、次の品目を全て網羅した事業計画を立てましょう。

・廃プラスチック類
・紙くず
・木くず
・繊維くず
・ゴムくず
・金属くず
・ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず
・がれき類


また、上記8品目に『汚泥』『廃油』を加えたものが一般的に建設廃棄物と呼ばれています。

廃プラスチック類」、「ガラスくず及び陶磁器くず」、「がれき類」に関しては可能であれば「石綿含有物を含む」で取得しておきましょう。(石綿含有物を含んだ廃棄物の処理が可能な産業廃棄物処分業者への運搬が必要です)

産業廃棄物収集運搬業と異なり、解体工事に関しては元請け下請共に建設業許可または解体工事業登録が必要ですので注意しましょう。

兵庫県と岡山県の建設業許可申請サポートについてはこちら

兵庫県の解体工事業者登録サポートについてはこちら

② 建築物の解体時等における残置物について

建築物の解体に伴い生じた廃棄物に排出事業者は当該解体工事の発注者から直接工事を請け負った元請業者となりますが、建築物の所有者等が残置した廃棄物(不要家電等)についての処理責任は当該建築物の所有者等となります。
建築物の解体時にある残置物については一般家庭の場合は一般廃棄物となり、産業廃棄物収集運搬業許可では処理が出来ません。

③ 現場事務所から排出される「事業系一般廃棄物

現場事務所等から排出される廃棄物は産業廃棄物には該当しません。「事業系一般廃棄物」として処理されますのでくれぐれも同じバッカンに放り込むようなことはしなようにしましょう。

建設工事における廃棄物の排出業者は誰?

建設工事における廃棄物収集運搬には、法律と規制が密接に関わっています。

① 解体工事の法的責任(誰が処分するの?)

建設工事から発生する廃棄物の排出事業者は元請業者です。(下請け業者ではありません)
そのため、元請業者自らが廃棄物を処分場へ運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業許可は不要です。しかし自社で運搬しない場合は原則として許可を取得している収集運搬業者に委託する義務があります。

「自ら運搬」とは、元請会社「自ら」がその産業廃棄物を収集・運搬することです。
協力会社が、「自分が出したゴミだから」という親切心で、「作業所にある産業廃棄物を協力会社である自社が収集・運搬しなければ」と考えるのは間違いです。
作業現場で発生した産業廃棄物は、元請会社が排出事業者として処理しなければなりません。


ただし下請業者が運搬する場合は例外規定が設けられています以下の全てに該当する場合のみ、収集運搬業許可を持っていない下請業者でも運搬が可能です。
①特別管理産業廃棄物でないこと
②建築物等の解体・新築又は増築を除く建設工事又は建築物等の瑕疵の補修工事であり、当該工事の請負代金の額が500万円以下であるもの
③一回で運搬する廃棄物の容量が1m3以下であるもの
④運搬先が排出場所と同一当道府県内若しくは隣接都道府県かつ、元請業者が使用権限を有する保管場所又は処理施設であること
⑤廃棄物の運搬途中で積替え保管を行なわないこと
⑥産業廃棄物の運搬を行なうことが書面による請負契約で定められていること
⑦必要事項を記載した別紙を作成し携行すること 

②建築物の解体時等における残置物について

建築物の解体寺に生じた廃棄物についての排出事業者は当該解体工事の発注者から直接工事を請け負った元請業者となります。

しかし、建築物の所有者等が残したままにしている廃棄物(家具や備品、不要家電等)についての処理責任は当該建築物の所有者にあります。ということは、建築物(一般家庭の場合)の解体時にある残置物については一般廃棄物扱い、産業廃棄物収集運搬業許可を持っている業者では運搬・処理をすることができません。

発注者さんから「建物の中に机・椅子、書類を入れるキャビネットやパソコンなどが残っているから、それらの処分も含めて見積を出してね。」と言われたからといって、見積を出して仕事を進めるのはNGです。ご注意ください。

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この記事を書いた人

2006年行政書士を開業しました。
兵庫県と岡山県での産業廃棄物収集運搬業許可(積み替え保管なし)と建設業許可に特化した行政書士事務所です。
士業=敷居がたかいというイメージを壊すべく,コンシェルジュのようなサービスを心がけています。
まずは気軽にお問い合わせください。
好きな食べ物:大学芋
苦手な食べ物:こんにゃく

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